1. HOME
  2. インタビュー
  3. リーダー
  4. 齋藤 祐司 / 株式会社齋武商店

INTERVIEW

インタビュー

リーダー

齋藤 祐司 / 株式会社齋武商店

人事部の取り組みをまち全体で取り組めたらいい

齋藤 祐司

株式会社齋武商店 代表取締役

齋武商店は金属スクラップと古紙リサイクル業を中心に事業展開をしている会社です。明治41年創業、以前は今の石巻市役所がある場所で営業をしていましたが、昭和50年に現在の場所に移転をしています。

現在の雇用状況(2019年12月時点)は全体で30名を雇用し、そのうち高校新卒は1名、他は中途採用です。新卒を採用したい気持ちはありますが、現状の求人倍率が高すぎることもあり、採用は難しいと判断しています。職場的にも、若い子よりも社会経験を積んだ人間の方が長く続く傾向があり、馴染みやすいということもあります。

相対的には人手不足ではあるものの、どうしようもないという状況ではありません。業界の特徴として残業がないということもあり、そうした労働環境の関係か離職率は低い傾向にあります。

現状の石巻の経済状況はどちらかというとネガティブというか、経済そのものがシュリンクしていくような状況だと感じています。東日本大震災という1000年に一度のラジカルな事象があり、立ち直るまではよかったけど、当社もですが現時点での事業展開は人口減少もあいまって厳しい状況にあると思います。被災から立ち直るという復興からのフェーズは過ぎましたので、生き残るためには、現事業を進化させるか、新規事業を常に考え、裾野を広げていく必要があります。震災前と比較すれば新しい建物がどんどん建っていて、凄い勢いでインフラのハード類が整備されましたが、その分の揺り返しも来ています。また、人口減少を経済上の言い訳にはしたくないですが、まず人口を増やさないことにはどうしようもなく、そのためにはいろいろな面でドラスティックな対応を取る必要もあるだろうと思っています。
ただ出生数は中々上がらないだろうから、Uターン、Jターン者に来てもらえるような職場環境や、バリエーションのある雇用形態を考えていかねばないと思います。
東京一極集中は日本の課題でもあるため、それを解消する上でも、地方に来る人を優遇する政策は必要。定住してもらえるように、様々な工夫が必要だと思います。当社でもコバルトーレ女川の選手が一名働いてくれていますが、本業(副業)をもちつつ当社の仕事も頑張ってくれています。これは一つのよい事例だと思います。

石巻人事部は知り合いを通じて、ISHINOMAKI2.0の斉藤さんから聞きました。本当だったら行政や教育委員会、もしくは商工会議所のような組織がやるべき事業だとも思いましたが、そこを民間で若い人がやるのは非常にいいことだと思いました。

私が参加する理由は、当社でも人材育成や採用に関してコンサルティング会社に相談したり、自社で独自に取り組んではいたのですが、なかなか難しく、その参考になればと思いましたし、それと他に好奇心といいますか、震災後、街中で活動をする若い人達、ニュージェネレーションはいったい何をしているのか、どのような思考回路なのか?知りたかったというのがあります。斉藤さんを中心にみなさんは従来の思考方法とは違った考え方をしていると思います。そこが少しでもかいま見えたのは良かったですし、素晴らしいと思いました。震災がなければ、外からこんなに若いエネルギーを持った方々が来なかっただろうし、そういう意味では石巻人事部に代表されるような、若い人たちが、石巻をステージとして独自でいろいろな活動を展開してくれているという現象は、石巻にとって震災で得たものだとも言えるかなと思います。別に私も老成を気取るわけではなく、自分も地元の人間として負けずに頑張らねば、と大いに刺激にもなります。

人事部が取り組む、地域同期という考え方もいいですね。可能であれば時間外に何かを求める人がでてきたらいいと思います。定時で帰る決まった毎日だけではなく、私もそうでしたが、時間外、会社外にも見聞を広げる機会が多々あり、個人の成長につながると思います。
人材育成は主として企業が担うもので、その手法は企業ごとに異なり、社内OJTや外部機関に依頼したり、商工会議所等のセミナーに参加したりするものですが、それを民間ベースで実施することはいいことです。継続的に続けて欲しいですが、事業の継続に関しては、今後運営上でのファイナンスの問題は課題になると思いますので、そこは考えていく必要があると思います。企業がなんらかのメリットを感じられるような提言、活動をしていけば、企業協賛、寄付などの運営資金も集まると思います。

まちづくりは人づくり、といった言葉がありますが人事部の活動もまち全体で取り組めたらいいですね。地域で楽しくやれたらいいなと思います。

◆齋藤 祐司 / プロフィール

1967年生まれ、宮城県石巻市出身。明治大学商学部卒業後、仙台の機械工具商社を経て、1994年から家業である齋武商店へ。2009年から代表取締役に就任。

◆企業情報

企業名:株式会社齋武商店
郵便 :986-0846
住所 :宮城県石巻市三河町7-4
電話 :0225-93-5111
WEB  :http://saitakesyouten.jp/

インタビュー